一般貨物自動車運送事業 許可

荷主から依頼を受けて運賃を受領し、トラック・トレーラー(軽自動車・自動二輪を除く)を使用して貨物を運搬する事業を行う場合、運送業(一般貨物自動車運送事業)の許可が必要となります。

運輸局における運送業許可の標準処理期間は3~4ヶ月と長期間に渡り、それに営業所・車庫の物件探し、運送業の許可要件を満たすことの調査、申請書類の収集・作成を加えると、多くの場合半年以上の日数が必要となります。

ですので、できるかぎり早く計画的に準備を進めることが必要になります。

運送業許可取得の要件

運送業の許可を取得するためには、大きく分けて「人」「物」「金」の3つの用件を満たす必要があります。

「人」の用件 「物」の用件 「金」の用件

「人」の要件

運転手(ドライバー)

運転手(ドライバー)の数は、車両の台数分、すなわち5人以上が必要です。

申請時点で5人以上確保できていなくても、許可取得までに5人以上確保できる予定であれば問題ありません。

なお、運転手(ドライバー)は当然事業に使用する種類のトラック・トレーラーを運転することができる自動車免許を所持していなければなりません。

運行管理者

運行管理者は営業所ごとに1人以上確保しなければなりません。
(車両の台数が29台までは1人、以降30台増えるごとに1人追加する必要があります)

運行管理者資格は国家資格であり、一般的には国土交通大臣指定試験機関の行う運行管理者試験に合格する必要があります。

運転手(ドライバー)と同様に申請時点で確保できていなくても、許可取得までに確保できる予定であれば問題ありません。

また、運行管理補助者の選任は義務付けられてはいませんが、運行管理者が不在の場合に備えて実際の運営上選任しておく必要があります。

運行管理補助者になるには、自動車事故対策機構(NASVA)等の行う「運行管理者基礎講習」を修了する必要があります。

整備管理者

整備管理者は営業所ごとに1人以上確保しなければなりません。

整備管理者になるためには、以下のいづれかの要件を満たさなければなりません。

・一級・二級または三級の自動車整備士資格のいずれかを有していること(ガソリン・ディーゼルの区別は問いません)
・2年以上の整備に関する実務経験を有し、かつ地方運輸局長の行う整備管理者選任前研修を修了していること

実務経験は勤務していた事業者から証明してもらう必要があります。

運転手(ドライバー)と同様に申請時点で確保できていなくても、許可取得までに確保できる予定であれば問題ありません。

また、整備管理補助者の選任は義務付けられてはいませんが、整備管理者が不在の場合に備えて実際の運営上選任しておく必要があります。

運行管理補助者になるのに要件はありません。

役員法令試験

運送業の許可を取得するためには、運送業の法令試験に合格しなければなりません。

運送業の法令試験を受験するのは、個人事業の場合は個人事業主、法人の場合は常勤の役員のうち一人が受験します。

試験時間は50分で、各地方運輸局(関東の場合は横浜市中区)において申請後の奇数月に行われます。

試験問題30問中8割以上(24問以上)が合格ラインになります。

出題範囲は自動車運送事業に関する以下の法令となります。

1.貨物自動車運送事業法
2.貨物自動車運送事業法施行規則
3.貨物自動車運送事業輸送安全規則
4.貨物自動車運送事業報告規則
5.自動車事故報告規則
6.道路運送法
7.道路運送車両法
8.道路交通法
9.労働基準法
10.自動車運転者の労働時間等の改善のための基準
11.労働安全衛生法
12.私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律
13.下請代金支払遅延等防止法

運送業の法令試験は2回チャレンジすることができ、もし不合格の場合でも次の奇数月に再受験することができます(2回目も不合格の場合は申請取下げ)。

関東運輸局では、最近の役員法令試験の合格率は50%を下回っていますので、きちんと事前に準備することが非常に重要です。

当事務所では役員法令試験対策用のテキスト・過去問を準備し、運送業の経営者様が最短で合格できるようにサポート致します。
ご依頼いただいた方は、当事務所の開催する役員法令試験対策セミナーに無料で参加できます。
(当事務所の代表は、運輸事業者にて働きながら行政書士試験・通関士試験ともに一回で合格していますので、お力になれると思います)

欠格事由

運送業許可の申請者(個人事業の場合は個人事業主、法人の場合は法人と役員全員)は、以下の欠格事由に該当すると運送業の許可を取得できません(貨物自動車運送事業法第5条)。

・1年以上の懲役または禁固の刑に処せられ、その執行を終えた日から2年を経過しない者
・一般貨物自動車運送事業または特定貨物自動車運送事業の許可の取消しを受け、その取消しの日から2年を経過しない者
・未成年者または成年被後見人であって、その法定代理人が上記のいずれかに該当する者

「物」の要件

営業所

運送業の営業所として使用するためには、以下の要件を満たさなければなりません。

  • 都市計画法、建築基準法、消防法、農地法等関係法令に抵触しないものであること。
  • 使用権原を有することの裏付けがあること。
  • 適切な規模を有するものであること。
都市計画法、建築基準法、消防法、農地法等関係法令に抵触しないものであること。

都市計画法における以下の区域においては、原則的に運送業の営業所として使用することはできません。

・市街化調整区域
・第一種低層住居専用地域
・第二種低層住居専用地域
・第一種中高層住居専用地域
・第二種中高層住居専用地域(一定条件の場合)
・第一種住居地域(一定条件の場合)

また、建築基準法上の建築物とは、「土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの」と定められており、プレハブ・ユニットハウス・コンテナハウス等も建築基準法上の建築物に当たるため建築基準法の適用の範疇に入り、そのままでは運送業の営業所として使用することはできません。

そのような場合には、原則基礎工事・建築確認申請をする必要があります。

また、不動産登記法上の地目が農地(田・畑)の場合には、農地法に基づき農地転用の手続きをしなければ運送業の営業所として使用することはできません。

使用権原を有することの裏付けがあること。

営業所が自己所有であるか賃貸していることを証明する必要があります。

自己所有の場合は土地建物の登記簿謄本(登記事項証明書)により、賃貸の場合は賃貸借契約書により使用権限を証明します。

賃貸の場合は契約期間が1年以上である必要がありますが、賃貸借契約書に自動更新の記載があれば問題はありません。

賃貸借契約書の使用目的が「住居として使用することに限る」といった場合等には、別途使用承諾書が必要になります。

適切な規模を有するものであること。

営業所の広さについては明確な面積基準があるわけではありませんが、運送業の営業所として適切に業務を遂行できる広さが必要です。

電話・ファックス・プリンター・事務机・キャビネット等を備え付けて適切に業務を行える広さとして、10㎡がおおよその基準となります。

休憩・睡眠施設

運送業の休憩・睡眠施設として使用するためには、以下の要件を満たさなければなりません。

  • 都市計画法、建築基準法、消防法、農地法等関係法令に抵触しないものであること。
  • 使用権原を有することの裏付けがあること。
  • 原則として、営業所又は車庫に併設されるものであること。
  • 運転者(ドライバー)が有効に利用することができる適切な施設であり、運転者(ドライバー)に睡眠を与える必要がある場合には、少なくとも同時睡眠者一人当たり2.5㎡以上の広さを有するものであること。
都市計画法、建築基準法、消防法、農地法等関係法令に抵触しないものであること。

営業所の規定と同じです。

使用権原を有することの裏付けがあること。

営業所の規定と同じです。

原則として、営業所又は車庫に併設されるものであること。

営業所と休憩・睡眠施設を一つの部屋に併設する場合には、パーテーション等で仕切る必要があります。

運転者(ドライバー)が有効に利用することができる適切な施設であり、運転者(ドライバー)に睡眠を与える必要がある場合には、少なくとも同時睡眠者一人当たり2.5㎡以上の広さを有するものであること。

休憩施設にはテーブル・椅子・ソファー等を設置して、運転者(ドライバー)が有効に利用することができる必要があります。

また、運転者(ドライバー)が帰宅すると8時間以上の休息時間が確保できないような運行があるときには睡眠施設を設置しなければならず、少なくとも同時睡眠者一人当たり2.5㎡以上の広さを有する必要があります。

車庫(駐車場)

運送業の車庫(駐車場)として使用するためには、以下の要件を満たさなければなりません。

  • 都市計画法、建築基準法、消防法、農地法等関係法令に抵触しないものであること。
  • 使用権原を有することの裏付けがあること。
  • 原則として、営業所に併設されるものであること。
    ただし、併設されることが困難な場合においては、営業所から直線で10キロメートル(東京23区、横浜市、川崎市にあっては20キロメートル) 以内であること。
  • 車両と車庫(駐車場)の境界及び車両相互間の間隔が50センチメートル以上確保され、かつ、計画車両数すべてを収容できるものであること。
  • 出入口の前面道路については、原則として幅員証明書により車両制限令に適合すること。
  • 用地は、車庫(駐車場)以外の部分と明確に区画されていること。
都市計画法、建築基準法、消防法、農地法等関係法令に抵触しないものであること。

運送業の車庫(駐車場)の場合は、営業所の場合とは異なり、市街化調整区域内にあっても問題はありません。

屋根付きのいわゆる有蓋車庫(有蓋駐車場)の場合には、建築基準法、消防法等の問題が生じるため、各法令の要件に適合したものでなければなりません。

不動産登記法上の地目が農地(田・畑)の場合には、農地法に基づき農地転用の手続きをしなければ運送業の車庫(駐車場)として使用することはできません。

使用権原を有することの裏付けがあること。

車庫(駐車場)が自己所有であるか賃貸していることを証明する必要があります。

自己所有の場合は土地建物の登記簿謄本(登記事項証明書)により、賃貸の場合は賃貸借契約書により使用権限を証明します。

賃貸の場合は契約期間が1年以上である必要がありますが、賃貸借契約書に自動更新の記載があれば問題はありません。

賃貸借契約書の使用目的が「倉庫」「資材置場」「乗用車の駐車に限る」といった場合等には、別途使用承諾書が必要になります。

原則として、営業所に併設されるものであること。
ただし、併設されることが困難な場合においては、営業所から直線で10キロメートル(東京23区、横浜市、川崎市にあっては20キロメートル) 以内であること。

運送業の車庫(駐車場)は、原則として営業所に併設される必要があります。

ただし、併設されることが困難な場合においては、営業所から直線で10キロメートル(東京23区、横浜市、川崎市にあっては20キロメートル) 以内であれば問題ありません。

車両と車庫(駐車場)の境界及び車両相互間の間隔が50センチメートル以上確保され、かつ、計画車両数すべてを収容できるものであること。

車両と車庫(駐車場)の境界及び車両相互間の間隔が50センチメートル以上確保され、かつ、計画車両数すべてを収容できることが必要です。

運送業の車庫(駐車場)に必要な面積は、一般的には以下のとおりです。

7.5t超 38㎡
2tロング~7.5t以下 28㎡
2tロング 20㎡
2t以下 15㎡
けん引車(ヘッド) 20㎡
被けん引車(シャーシ) 30㎡

出入口の前面道路については、原則として幅員証明書により車両制限令に適合すること。

車庫(駐車場)の出入口の前面道路の幅員については、車両制限令という法令に適合している必要があります。

前面道路の幅員は原則として6.5m以上であれば問題ありません。

道路幅員証明書は道路管理者である都道府県や市町村役場から取得します。

用地は、車庫以外の部分と明確に区画されていること。

運送業の車庫(駐車場)は、他の用途に使用される部分と明確に区画されていなければなりません。

したがって、同一の敷地に自家用車・軽自動車の車庫(駐車場)や資材置場がある場合、敷地を明確に区画しなければならず、重複使用することはできません。

車両

運送業の車両に対する要件は以下のとおりです。

  • 営業所ごとに、配置する事業用自動車の数は5台以上とすること。
  • 使用権原を有することの裏付けがあること。
  • 計画車両の大きさ、構造等が輸送する貨物に対し適切なものであること。
営業所ごとに、配置する事業用自動車の数は5台以上とすること。

営業所ごとに、配置する事業用自動車の数は5台以上でなければなりません。

車検証の用途欄が「貨物」であれば、ライトバン・ハイエースなどの小型車でも問題ありません(軽自動車は除く)。

尚、けん引車(ヘッド)、被けん引車(シャーシ)を含む場合は、けん引車(ヘッド)と被けん引車(シャーシ)の各1台を合わせて1台とカウントします。

使用権原を有することの裏付けがあること。

車両が自己所有であるか購入するものかリースするものかを証明する必要があります。

自己所有の場合は自動車検査証(車検証)により、購入の場合は売買契約書により、リースの場合はリース契約書により使用権限を証明します。

許可申請時にまだ使用権限がなくても、すでに車両が特定されていて、契約書が存在すれば使用権限があるものとみなされます。

計画車両の大きさ、構造等が輸送する貨物に対し適切なものであること。

計画車両の大きさ、構造等が輸送する貨物に対し適切なものであることが必要です。

「金」の要件

資金計画

運送業の許可を取得するためには、資金計画において以下の要件を満たさなければなりません。

  • 所要資金の調達に十分な裏付けがあること。
  • 所要資金の全額以上の自己資金が、申請日以降許可日までの間、常時確保されていること。
  • 所要資金の見積りが適切なものであること。
所要資金の調達に十分な裏付けがあること。

所要資金の調達に十分な裏付けがあることは、金融機関の発行する預金残高証明書により証明します。

所要資金の全額以上の自己資金が、申請日以降許可日までの間、常時確保されていること。

預金残高証明書の提出は、運送業の許可申請の日と役員法令試験合格後の運輸局が選んだ任意の日の2回になります。

預金残高証明書の発行日において、自己資金が資金計画の所要資金を下回ってしまうと、申請の取下げになりますので十分に注意してください。

所要資金の見積りが適切なものであること。

所要資金の見積りは、運輸局の定める「事業の開始に要する資金及び調達方法」のルールに従って計算します。

所要資金の内訳は、6か月分の人件費・燃料費・修繕費等、1年分の車両費・施設費・自動車関連税・保険料、及びその他費用の合計となります。

損害賠償能力

運送業の許可を取得するためには、自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)への加入のほか、一般自動車保険(任意保険・対人賠償無制限)へ加入することにより、十分な損害賠償能力を有することが必要です。

運送業許可取得サービスの流れ

当事務所における運送業許可取得サービスの流れは以下のようになります。

  1. ご相談

    まずは当事業所へお電話またはメールにてお問い合わせください。

  2. 正式なご依頼・ご入金

    正式なご依頼の後、指定の銀行口座に料金をお振込みください。

  3. 基本事項の確認

    基本事項の確認のため、ヒアリングシートを用いて主に「人」「物」「金」の3つの条件についてお伺いいたします。

  4. 必要書類のご準備

    お客様にご用意いただく必要書類のご案内をさせて頂きます。
    お客さまにお渡しした必要書類のリストをもとに、必要書類のご準備をお願い致します。

  5. 不動産調査

    お客様の営業所にお伺いして、営業所・休憩・睡眠施設・車庫(駐車場)の調査を行います。
    その際、運行管理体制・資金計画等についての更なるヒアリングを行い、今後の手続きの流れについてのご説明を行います。

  6. 申請書類の作成

    当事務所にて運送業許可の申請書類を作成致します。
    押印が必要な書類はお客様に送付し、押印して頂きます。

  7. 運輸支局への申請書類の提出

    管轄の運輸支局へ運送業許可の申請書類を提出致します。

  8. 役員法令試験の受験

    申請後の奇数月の中旬ごろに行われる役員法令試験を受験して頂きます。
    もし不合格の場合でも、次の奇数月に再受験することができます。

  9. 許可書の交付

    申請から約3~4ヶ月後に運送業の許可書が交付されます。

  10. 登録免許税の納付

    登録免許税12万円を金融機関で振込み致します。

  11. 運行管理者・整備管理者選任届の提出

    管轄の運輸支局へ運行管理者・整備管理者選任届を提出致します。

  12. 運輸開始前確認報告の提出

    管轄の運輸支局へ運輸開始前確認報告を提出致します。
    運輸開始前確認報告をする前に、運転手(ドライバー)全員の社会保険及び労働保険への加入手続きを完了している必要があります。

  13. 営業ナンバー(緑ナンバー)への変更

    事業用自動車等連絡書により、運輸支局・自動車検査登録事務所にてトラックを営業ナンバー(緑ナンバー)へ変更して頂きます。
    ※運輸支局・自動車検査登録事務所での車検証の書き換え・営業ナンバーへの変更はお客様にてご手配願います。

  14. 運輸開始

    トラックを営業ナンバー(緑ナンバー)へ変更した後、晴れて運輸が開始致します。

  15. 運輸開始届・運賃料金設定届の提出

    運輸開始後、遅滞なく管轄の運輸支局へ運輸開始届・運賃料金設定届を提出致します。